8代目若女将│あなたが楽しめるおもてなしが人を幸せにする

教わった通りの接客をしてるのにどうしてあの人と違うんだろう・・・?

人と接するのが苦手な女の子が接客業につき、仕事で「使えない」と言われたそのスタッフとお客様に暖かい空間ができたときのことを書こうと思います。

私が某ファーストフードでアルバイトしていた頃の話です。人と接することが苦手な、あまり笑顔のないスタッフがアルバイトとして採用されました。店長やマネージャーは、そのスタッフ(Aさん)に重要なポジションを与えなかったり、比較的に暇な時間帯にシフトを入れていました。

重要なポジションにいけるのは、元気で社員ともコミュニケーションが取れるタイプのスタッフです。私はなんとかAさんに楽しく働いてもらいたいなと思いました。話しかけたりはしていましたが、何もしてあげられませんでした。

ある日、わたしがマネージャーになるチャンスがやってきました。私がマネージャーになったら、私はそのスタッフに重要なポジションについてもらおうと決めて、一日も早く試験に合格できるように頑張りました。

わたしは試験をクリアしてマネージャーになり、私が管理する時間帯はそのスタッフを重要なポジションに配置しました。もともとそのポジションにいたスタッフには「あなたがいれば大丈夫だから、ついていてあげてね」と伝えて、ポジションを交代してもらったりしました。

話をしながらどこまでできそうか、やってみたいことはあるかを聞いて、私が責任を持てる範囲で、どんどんチャレンジしてもらいました。しばらくすると、そのスタッフは、だんだんとお客様と一緒に笑うようになりました。

私は、そのスタッフが人と接することが苦手なのにここで働きたいと思ったことを、大切にしようと思いました。

その後は、あまりお客様が来なかった時間帯にもお客様が増えて、売り上げもあがっていきました。

ノルマとお金を気にしなくなったら、嬉しい気持ちと売り上げが増えた!

私は、アパートやマンションの物件案内をしていたことがあります。初めはノルマのことを考えたり、自社物件を契約しなければならないというプレッシャーで、お客様に対しても、手数料の高い物件や自社物件になんとか持っていこうとしていました。

お客様が契約しても、なんだか心残りがありました。それに、全然ノルマに行かないし、ギリギリノルマを達成していた感じです。私は、お客様が望む物件を紹介したいと心から思うようになりましたが、手数料の安い物件を契約するたびに上司から注意されていました。

私は、ノルマを達成すれば、お客様が望む物件を契約し続けても文句を言われないだろうと考えた私は、仲介手数料もノルマも気にしないように決めました。

とことんお客様の話を聞いて、物件案内の時には住んだところをシュミレーションしてもらったりしながら、9割以上の契約件数になりました。ノルマを大きく上回るようになり、プレッシャーだった自社物件もどんどん契約できるようになりました。

でも、私がいた会社の地域は物件の金額が他の地域の半分くらいなので、手数料を考えるとノルマまでは相当の契約数が必要でした。ノルマを達成したことで、首都圏で契約数が1番になったこともあります。その当時は売上金額の上位のみが表彰されたので、物件が1番でも表彰されなかったのは残念でした。

その時私がやっていたことは、お客様と物件をつないだ時に塗る花の塗り絵です。白地に花の絵を描いて、1契約ごとに花びらに色をつけていました。1つの花に5枚の花びらで、25万円くらいの売り上げになるとして、ノルマが100万円だったので月初に花を4つ描いて机に忍ばせていました。

この花が色づき咲く分だけ、お客様と物件が出会って素敵な生活が始まっているのだなって思いながら仕事をしていたら、ノルマが苦にならない上に、2か月に1度ボーナスのように奨励金をもらえるようになりました。

旅館の若女将になってからのおもてなし

私は接客業をしたことはあるものの、旅館的なおもてなしは受けたことがあるだけで、未経験でした。でも、それまでの接客で気づいたことや、一緒に働く人と想いがつながることの大切さを知ったので、旅館でも活かすことができればいいなと思っています。

女将さんは、食べてくれる人の笑顔を思って食事を作っています。作ることが目的ではなくて、人を幸せな気分にすることです。そこにあるおもてなしは、有形のようで無形だったりします。

今は、女将さんがずっとやりたかった定食をランチの時間帯にやっています。やりたいと言いながらも何年もやっていなかったそうです。私は女将さんの料理をもっとたくさんの人に体感して欲しかったし、旅館にとっても人の気持ちにいい影響がでると思いました。

コロナウィルスの影響で、宿泊がストップしてしまったときは、ランチをテイクアウトにしたり、使い捨て容器ではなくてリユース容器を使うようにしていき、テイクアウトの注文がたくさん増えました。

やりたいことと誰かのためにできることが重なり、テイクアウトで助かる方もいて、収入がゼロにならないなど、いいことがたくさんありました。

これからは、旅館のスタッフ一人一人の個性を活かして、基本的なおもてなしプラス、お客様もスタッフもホッコリできたらいいなと思っています。

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